ヒロの婚活心理学

夏帆症候群と「ホンネが言えない」婚活|失礼なことを言われたら、すぐ交際終了していませんか?

読書する若い女性

夏帆症候群シリーズ第6弾


まず、今日お伝えしたいこと


デート中、相手から少し失礼なことを言われた。

その場では笑って受け流したのに、帰り道でじわじわ腹が立ってきて、「あ、この人は無理」と交際終了を決める。


婚活では、こんなことが起こります。


もちろん、傷つけてくる相手や、こちらの意思を尊重しない相手から離れるのは大切です。

婚活だからといって、嫌なことを我慢する必要はありません。


ただ、もしそれまで「もう少し知りたい」と思っていた相手なら、一度だけ考えてみてほしいことがあります。


あなたは、その人の言葉に傷ついたのでしょうか。

それとも、「傷ついた」と本人に伝えることのほうが、もっと怖かったのでしょうか。


このシリーズでは、周囲に合わせることを長く上手にやってきた人が、結婚という「自分自身の人生を選ぶ場面」で、自分の気持ちを出せなくなったり、迷ったりする状態を「夏帆症候群」と呼んでいます。


この名前は、村上春樹『夏帆』の主人公・夏帆から取られています。


親の言いなりだった人、という単純な意味ではありません。

むしろ自分で考え、社会の中でもきちんと自立してきた。


それでも、人と深く関わろうとすると、相手との違いや衝突をどう扱えばいいのか分からなくなる。


その一つの現れ方が、「言い返さずに去る」です。


今回お伝えしたいのは、嫌なことを我慢して交際を続けよう、という話ではありません。

「この人とは、もう少し話してみたかった」


そう思える相手なら、去る前に一度だけ、自分の気持ちを相手との間に置いてみませんか。

そこから初めて見える相手もいます。


01|その場では笑えたのに、帰宅してから腹が立ち、即交際終了!



仮交際のデートで、男性から何気なく言われる。

「けっこう仕事優先なんですね。結婚したら変わります?」


悪気はなさそうです。

だから、その場では「どうでしょうね」と笑って返した。


ところが帰りの電車で、言葉がもう一度よみがえります。


「なんで私が仕事を変える前提なんだろう」

家に着く頃には、かなり嫌になっている。


相談所からデートの感想を聞かれれば、「価値観が合わないと思いました」と答え、交際終了をお願いする。

それ自体が間違っているわけではありません。


実際、価値観が合わない相手もいますし、たった一言にその人の考え方がよく現れることもあります。


ただ、気になるのは、こうしたことが相手を変えて何度も起きる場合です。


その場では感じよく受け流せるのに、あとから傷ついたことに気づく。

そして本人とは一度もそのことについて話さないまま、関係を閉じる。


お相手からしたら、後出しジャンケンされたような、後味の悪さだけが残る。

誰も得をしません。


だとしたら、問題は「見る目が厳しすぎる」ことではないのかもしれません。

傷ついた自分を、相手の前に出す機会がないことなのかもしれません。


小説『夏帆』表紙

02|「怒らなかったから、関係を守れた」を超えて



夏帆症候群の人は、対立そのものを嫌っているとは限りません。

もっと身体に近いところで、「ここで何か言えば、関係が変わってしまう」と感じています。


子どもの頃から、親と激しくぶつかるより、相手の様子を見て少し引くほうがうまくいった。

学校でも職場でも、言い返して場を悪くするより、こちらが一歩引けば物事は収まった。


そうして身につけた距離の取り方は、決して弱さではありません。

むしろ、人間関係を壊さずに生きて行くための知恵だったのでしょう。


ただ、結婚では少し事情が変わります。

どれほど相性のいい二人でも、一緒に暮らせば必ず違いが出てきます。


お金の使い方も、休日の過ごし方も、親との距離も同じとは限らない。

しかも疲れている日には、好きな相手にだって余計な一言を言うことがあります。


そのたびに我慢していたら、いつか自分がいなくなります。

反対に、そのたびに関係から去っていたら、誰とも深いところまで行けません。


結婚に必要なのは、衝突しない相手を見つけることではなく、衝突したあとに何が起きる二人なのかを知ることなのだと思います。


03|「その言い方、少しショックでした」と言ってみる



もし、もう少し知りたいと思っていた相手なら、その場ですぐ交際終了を決める前に、小さく言葉を返してみてください。


「その言い方、私は少しショックでした」

これだけでも十分です。


相手を責める必要はありませんし、「あなたは失礼です」と判定する必要もありません。

まず、自分に起きたことを伝える。


すると、そこで初めて相手の本当の姿が見えてきます。


「あ、ごめんなさい。そういう意味で言ったんじゃなかった」と立ち止まってくれる人もいるでしょう。

こちらの話を聞いたうえで、自分の考えを説明し直してくれる人もいる。


もちろん、「そんなことで傷つくんですか」と軽く扱う人もいます。

その反応を見てから離れても、遅くありません。


むしろ婚活で知りたいのは、失言を一度もしない人かどうかより、自分が傷ついたと伝えたとき、その人がどうするかなのです。


そして、もう一つ大切なことがあります。

「傷ついた」と伝えることは、相手を困らせることではありません。


あなたが自分の気持ちを隠さず、二人の関係に参加することです。

これまで「対立=関係が壊れること」だった人にとっては、小さな一言でも勇気が要るでしょう。


けれど実際に伝えてみて、それでも翌日またLINEが来る。

次のデートで普通に会える。

むしろ前より話しやすくなっている。


そんな経験が一度でもできると、人との関わり方は少し変わります。

「ぶつかっても、終わらないことがある」


これは、成婚後の二人にとっても、とても大切な感覚です。


相手への怒りや「許せない」という気持ちが出てきたとき、それをすぐ交際終了へ結びつけず、二人の話し合いへ持ち込むことについては、こちらの記事でも詳しく書いています。


⚪︎婚活している交際相手に「許せない!フツウこうでしょ!?」と思う時


テーブルの上の花とティーカップ

04|成婚したあとこそ、「本音が言える二人」でいてほしい


婚活では、つい「問題のない相手」を探したくなります。

けれども結婚生活に、本当に何の問題も起こらない二人はいません。


大切なのは、違和感が生まれたとき、それを二人の間に持ち込めるかどうかです。


あなたが「私は嫌だった」と言える。

そして相手も、「自分はこう思っていた」と返せる。


そこで意見が一致しなくても構いません。

二人とも消えずに、そこにいられることのほうが大切です。


夏帆症候群から抜け出すというのも、喧嘩上手になることではありません。

これまで関係を守るために隠してきた自分を、少しずつ相手の前に出せるようになることです。


もちろん、伝えてもこちらを尊重しない人なら、離れてください。


でも、少し惜しいと思える相手なら、一度だけ「私はそう感じなかった」と言ってみる。


その小さな対立の向こう側で、初めて二人の関係が始まることがあります。


リアルラブでは、仮交際で感じた違和感についても、「気にしすぎ」「我慢したほうがいい」と片づけず、何が嫌だったのか、相手に伝える価値があるのかまで一緒に整理します。


交際終了を決めることも大切です。

でも、結婚へ進むためには、「この人なら、嫌だったことも話せる」と知ることも同じくらい大切です。


成婚の先まで続く二人は、何も起こらない二人ではなく、何かが起きたときに話し合える二人なのだと思います。


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