ヒロの婚活心理学
「子どもが欲しいかわからない」30代半ばの婚活女性へ|夏帆症候群と母になる迷い
婚活における「夏帆症候群」シリーズ第5弾
まず、今日お伝えしたいこと
「結婚はしたい。でも、子どもが欲しいかと聞かれると、よくわからない」
30代半ばで婚活をしている女性にとって、この「わからない」は、とても重たいものです。
年齢を考えれば、いつまでも保留にはできない気がする。
お見合いや仮交際では、相手から子どもについて聞かれることもあります。
それなのに、自分の気持ちが決まらない。
このシリーズでは、こうした迷いを含め、これまで周囲に合わせながら「正しい選択」を重ねてきた人が、結婚という場面で初めて「君はどうしたい?」と問われ、答えが分からなくなる状態を「夏帆症候群」と呼んでいます。
この言葉は、村上春樹の『夏帆』に登場する主人公・夏帆から取られたものです。
もちろん、小説の中の夏帆(26歳)と婚活中の女性を同一視するつもりはありません。
私たちが注目しているのは、社会の中ではきちんと自立し、自分で人生を選んできたはずなのに、誰かと深く結びつき、自分自身の人生を選ばなければならなくなったとき、急に足が止まってしまうという心の動きです。
「子どもが欲しいかわからない」も、その一つとして現れることがあります。
だから、無理に「欲しい」「欲しくない」の答えを出そうとする前に、もう少しだけ、この「わからない」の中身を見てみませんか。
もしかすると迷っているのは、子どもを持つことそのものではなく、「母親になる自分」をまだ想像できないことなのかもしれません。
01|「子どもは欲しいですか?」で、急に答えられなくなる
結婚相談所で婚活をしていると、子どもの話を避けて通ることはできません。
プロフィールにも希望欄があり、仮交際が進めば、将来について話す機会も増えていきます。
お相手から、
「将来、子どもは欲しいですか?」
と聞かれたとき、少し言葉に詰まる。
嫌いではないし、友人の子どもをかわいいと思うこともある。
だからといって、自分が母親になりたいかと聞かれると、急に分からなくなるのです。
30代半ばという年齢も、迷いを複雑にします。
20代なら「まだ分からない」で済んだことが、今は人生の選択として迫ってくる。
婚活をしている以上、相手にも伝えなければならないし、自分だけの問題でもなくなってきます。
すると、
「こんな大事なことも決められない私は、結婚する資格があるのだろうか」
と、自分を責めてしまう人が多くいます。
でも、少し待ってください。
子どもが欲しいかどうかを即答できないことと、結婚生活を築けないことは、同じではありません。
むしろ、その「わからない」の奥に何があるのかを丁寧に見ていくことが、これから誰かと家庭をつくるための大切な準備になることがあります。
02|「母親」と聞いて、誰を思い浮かべていますか?
ここで、一つ考えてみてほしいことがあります。
「母親」と言う言葉を聞いたとき、あなたの頭にはどんな女性が浮かぶでしょう。
おそらく、最初に浮かぶのは自分の母親です。
ですが、母娘関係に大きな問題があったという話ではありません。
よく面倒を見てもらった。
進学や就職も応援してくれたし、今でも普通に連絡を取っている。
親子関係としては、むしろ悪くない。
それでも、自分が母親になることを考えた瞬間、どこか気持ちが止まることがあります。
母は、家族のためによく動く人だった。
自分のことより子どもを優先していたようにも見えるし、父との関係では、母のほうが我慢しているように感じたこともある。
もちろん、それが母にとって不幸だったとは限りません。
けれど子どもだったあなたの中には、「母親になるとは、こういうふうに生きることなのだ」というイメージが、知らないうちに残っているかもしれません。
すると、「子どもが欲しい?」という問いは、単に子どものいる生活を望むかどうかではなくなります。
「私は、母のようになりたいのだろうか」
そんな問いまで一緒についてくる。
それでは、簡単に答えが出ないのも当然です。
03|あなたは、お母さんと同じ母親にならなくていい
ここで、婚活中の方にぜひ知っておいてほしいことがあります。
あなたが結婚して家庭をつくるとしても、お母さんの人生をもう一度繰り返す必要はありません。
母親になるかどうかを決める前に、「母親とはこういうもの」という自分の中の前提を、一度ほどいてみてもいいのです。
家事や育児をどう分担するのか。
仕事をどこまで続けたいのか。
一人になる時間をどのくらい持ちたいのか。
その答えを、最初から一人で持っている必要はありません。
結婚は、「完成した家庭像」を持った二人が出会うことではなく、違う家庭で育った二人が、自分たちなりの暮らし方をつくっていくことでもあるからです。
だから婚活中に見るべきなのは、「この男性との子どもが欲しいと思えるか」だけではありません。
もっと手前で、
「この人とは、家庭のあり方について話し合えるだろうか」
を見てほしいと思います。
たとえば、あなたが「子どもは絶対に欲しいとも、欲しくないとも、まだ言い切れない」と話したとき、相手はどう反応するでしょう。
お相手の家族を巻き込むことになるかもしれません。
正解を迫るのか。
それとも、「何が迷っているの?」と一緒に考えてくれるのか。
婚約のシビアな場面で、「何があっても君の味方だからね」と言ってくれた彼を信じて、入籍に踏み切った会員事例も過去にありました。
ここには、成婚後の二人を考えるうえで、女性の一生を左右する(もちろん男性も)とても大切なものが現われます。
意見が違ったとき、すぐに関係が壊れるのではなく、違うからこそ話すことができる。
夏帆症候群の人に必要なのは、「正しい答え」を早く決めることより、こうした経験なのだと思います。
04|「わからない」を、婚活中の二人の会話にしてみる
「子どもが欲しいかわからない」という気持ちは、婚活では不利に見えるかもしれません。
でも、お伝えしたいのは、それを隠して相手に合わせたまま成婚するほうが、ずっと苦しくなります。
だから、将来を真剣に考えている相手には、少しずつ言葉にしてみてください。
「私は、本気で結婚したいと思っている。でも、子どもについては、まだ自分でも迷っているところがあります」
これも立派な自己開示です。
そして、その「わからない」を二人で扱える相手なのかを見る。
結婚後には、子どものことだけでなく、仕事、住む場所、親のことなど、最初から正解のない問題が何度も出てきます。
そのたびに必要なのは、あらかじめ同じ答えを持っていることではありません。
違いが出たときに、二人で何度でも話し直せることです。
夏帆症候群から抜け出すとは、何でも自分一人で決められる女性になることではないのでしょう。
「私はこう思う。でも、まだ迷っている」
そこまで含めて相手に渡し、一緒に考えられるようになることです。
成婚とは、すべての迷いが消えた二人がするものではありません。
迷ったときに、この人とは話せる。
その信頼の実感を持てる相手と、これからの人生をつくり始めることでもあります。
リアルラブでは、子どもを望むかどうかの「正解」をこちらから決めるのではなく、その迷いの中に何があるのかを一緒に整理しながら、相手とどう話していくかまで考えていきます。
「結婚したい。でも、その先の人生がまだはっきり見えない」
そんな段階でも大丈夫です。
一人で答えを完成させてから婚活するのではなく、誰となら答えのないことも話していけるのか。
そこから結婚相手を見てみませんか。