ヒロの婚活心理学
婚活で「誰を愛したいのか」で躓く30代後半女性へ|夏帆症候群Ⅲ
婚活における「夏帆症候群」とは、親や周囲の期待をよく理解し、「間違わない人生」を生きてきた人が、結婚という正解のない選択を前にして、「私は誰を愛したいのか」「誰と、どんな人生を生きたいのか」という、自分自身の欲望(気持ち)に戸惑ってしまう状態です。
「婚活における”夏帆症候群”」シリーズ
〜第三弾|「誰を愛したいのか」で躓く30代後半女性へ
まず、今日お伝えしたいこと
婚活で何人と会っても好きになれない。
いい人だとは思うのに、恋愛感情がなかなか動かない。
そんな状態が続くと、「私には人を好きになる力がないのかな」と、不安になることがあります。
けれども、婚活で恋愛感情が動かないからといって、理想が高すぎるとも、結婚に向いていないとも限りません。
このシリーズで「夏帆症候群」と呼んでいるのは、子どもの頃から周囲をよく見て、大きな反抗もせず、その場に合った振る舞いを身につけてきた人が、大人になって「私は本当はどうしたいのだろう」と、自分の感情をつかみにくくなっている状態です。
婚活では、それが「好きになれない」という形で現れることがあります。
お見合いを終えて、「どうだった?」と聞かれても、すぐには答えが出てこない。
会話に困ったわけでも、何か嫌なことをされたわけでもないので、勧められるままもう一度会ってみようと思う。
ところが仮交際へ進んでも、「嫌ではない」から先へ、なかなか気持ちが動いていかないのです。
そこで真面目な人ほど考え始めます。
「もう少し会えば好きになれるかな」
この努力が、かえって苦しくさせることがあります。
人を好きになる気持ちは、条件を検討した最後に出す「結論」ではないからです。
もっと手前で、「この話、もう少し聞きたいな」と思ったり、帰り道に少し名残惜しくなったり、反対に、何気ない一言に小さな違和感を覚えたりする。
そんなまだ名前もつかない感情が動きながら、少しずつ相手が特別な人になっていきます。
だから今、誰にも心が動かない、恋愛感情が湧かないと感じているなら、無理に「好きな人」をつくらなくても大丈夫です。
まず、自分の中で起きている小さな感情に気づくところから、婚活をやり直してみませんか。
01|「悪くなかった」ばかりが増えていくので婚活疲れに
お見合いを終えた女性に、「今日の方、どうでした?」と尋ねると、
「悪い人ではなかったです」
という答えが返ってくることがあります。
もちろん、それも間違いのない感想です。
ただ、「では、もう一度話してみたいところはありました?」と聞いてみると、急に答えに迷ってしまう。
婚活が長くなるほど、こうしたことは起こりやすくなります。
プロフィールでは年齢や仕事、住んでいる場所を確認し、実際に会えば、結婚相手として安心できそうか、会話は無理なく続くかと、どうしてもいくつものことを見なくてはなりません。
30代半ばになれば、「そろそろ決めたい」という気持ちもあるでしょう。
真剣に結婚したいからこそ、きちんと見極めようとする。
そして、当然のことですが、恋愛感情が湧く方と真剣交際に進んで成婚したい。
ところが、その真面目さが強くなりすぎると、目の前の男性といる自分がどう感じているかより、「この人を断るほどの理由があるだろうか」を考える時間が増えていきます。
すると、「悪くないから、もう一度会ってみます」が続きます。
会う人数は増えているのに、なぜか自分の気持ちだけが置いていかれる。
これが続けば、婚活疲れに陥ってしまうのも無理はありません。
夏帆症候群の女性は、どちらかというと真面目で、責任感の強い方が多い傾向にあるのでなおさらです。
02|「好き」の恋愛感情が分からなくなるまで
夏帆症候群の人は、もともと感情が乏しいわけではありません。
むしろ、周囲の気持ちには敏感です。
家族の中でも、学校でも、社会に出てからも、その場にいる人たちをよく見ながら、「ここではどうするのが自然だろう」と考えてきた。
誰かに命令されて、その通りに生きてきたという単純な話でもありません。
本人は本人なりに考え、選んできたはずです。
ただ、自分で選んでいるつもりの中にも、「こちらを選べば誰かが安心する」「このくらいなら波風が立たない」という感覚は、いつの間にか入り込んできます。
そういう選び方は、社会で生きていくうえでは大きな力になります。
けれども恋愛や結婚では、少し事情が変わります。
相手が正しい人かどうかは分かる。
結婚相手として問題があるかどうかも考えられる。
なのに、「私はこの人といると、この先どうなるのだろう」と、
恋愛感情を持てるのかどうかが自信ない。
そこで、いきなり無理して「好き」を探そうとすると苦しくなります。
感情は、もっと小さなところですでに動いているからです。
彼が店員さんに話しかけたときの感じが、なんとなく好きだった。
今日は前回より話しやすかった。
でも、結婚観の話になったときには、少しだけ身体が固くなった。
そのくらいの揺れを、すぐ結婚相手としての「アリ」「ナシ」へ変換しなくていいのです。
自分の中で何かの感情が動いた。
まず、それを見逃さないことです。
「いい人なのに好きになれない」
「恋愛感情が湧かない」
という悩みについては、こちらでも詳しく書いています。
03|無理に好きになろうとするのを、やめてみる
ここで、婚活のやり方を少し変えてみましょう。
次のデートでは、「この人を好きになれるかな」を、いったん脇へ置いてみてください。
なぜなら、「好きになろう」とすること自体が、夏帆症候群の人にとっては新しい適応になりやすいからです。
せっかく出会えた人なのだから、いいところを見つけよう。
条件も悪くないのだから、もう少し気持ちを前向きにしよう。
もちろん、相手の良いところを探す姿勢は大切です。
ただ、それが「この人を好きになるのが正解なのではないか」に変わった瞬間、自分の恋愛感情を感じるより先に、感情まで婚活に合わせようとしてしまいます。
本来、恋愛感情はもう少し勝手なものです。
条件のいい男性だから嬉しくなるわけでもなければ、三回会ったから好きになるわけでもない。
くだらない話で思いがけず笑ってしまい、惚れることもあれば、何気ない言葉がいつまでも心に引っかかることもあります。
その好きかどうかの、まだ結論にならない揺れを大切にしてほしいのです。
だからデートから帰ったら、「好きになれそうだった?」ではなく、「今日の私は、どこで少し動いたかな」と振り返ってみる。
たとえば、いつもなら相手に質問してばかりなのに、今日は自分から話したくなった。
予定の時間を過ぎていたのに、もう少し話していたいと思った。
逆に、ある話題になった途端、なぜか早く帰りたくなった。
そこに、あなたの恋愛感情があります。
そして、「嫌だった」も急いで消さないでください。
婚活では、相手の欠点を探しすぎてはいけないと言われる一方で、減点しないよう頑張りすぎる人もいます。
けれども、自分のNOが分からないままでは、YESにもなかなか確信が持てません。
大切なのは、「嫌だった。だから終了」と短絡しないことです。
「私は、何が嫌だったんだろう」そこまで見てみる。
彼の考え方そのものが嫌だったのか。
言い方が引っかかったのか。
それとも、自分が本当は反対の意見だったのに、笑って合わせてしまったことが苦しかったのか。
ここまで分かると、婚活は少し変わります。
違和感があればすぐ次の人へ行くのではなく、ときには「私は少し違うかな」と相手に伝えて、その先を見られるようになるからです。
そこで話し合える二人なら、違いは必ずしも交際終了の理由にはなりません。
むしろ、違いが出てからどう二人で扱えるかという、結婚生活にとってもっと大切なものが見えてきます。
「好きになれる人を探す」だけの恋愛感情重視だった婚活が、「この人となら、私の感情を持ったまま関係を育てられるだろうか」と確かめる婚活へ変わっていく。
好きになろうとするのをやめるのは、恋愛感情を諦めることではありません。
自分の感情に、もう一度こちらへ戻ってきてもらうためです。
04|「好き?」の恋愛感情より先に、確かめてほしいこと
婚活では、「この人を好きになれるだろうか」と第一に考えます。
もちろん、それは大切です。
ただ、その答えを急ぐほど、かえって自分の気持ちが分からなくなることがあります。
特に夏帆症候群の人ほど。
だから、もう一つの問いを持ってみてください。
「この人といるとき、私はちゃんと感情を感じているだろうか」
楽しいだけでなく、少し腹が立ったり、意見が違ったり、ときには言いにくいことを伝えたくなる。
それでも話してみようと思えるなら、そこにはすでに、二人の関係を育てるための感情が動いています。
結婚は、何もかも合う人を見つけて完成するものではありません。
違う二人が少しずつ自分を出し、その違いを持ち寄りながら、「この人とは話していける」と確かめていく。
その時間の中で、最初はまだ小さかった好意が、結婚を決められるほどの信頼へ育つこともあります。
夏帆症候群から抜け出すというのも、突然、誰かを強く好きになれるようになることではありません。
相手に合わせる前に、自分の中で起きたことを置き去りにしない。
そして、その自分のままで誰かと関係をつくっていくことです。
「悪くない。でも好きになれない」が続いているなら、次の人を探す前に一度、なぜ恋愛感情を持てないのか。
そこを一緒に振り返ってみませんか。
リアルラブのカウンセリングでは、実際のお見合いや仮交際を振り返りながら、どこで心が動き、どこで止まったのかを丁寧に見ていきます。
誰かを好きになることを急ぐより、自分の感情を置き去りにしない。
そこから始めた婚活のほうが、一人の人と成婚まで関係を育てていけることがあります。