ヒロの婚活心理学

【第2話】結婚は“コスパ悪い”論に隠れた真実──孤独という見えない支出

1人でドーナッツを食べる男性

「結婚はコスパが悪い」と感じる若い人が増えている今、婚活に踏み出せない理由の多くは“お金”より“心のコスパ”にあるのでは? 
実は独身のままでも“孤独コスト”という見えない支出が潜んでいることをご存知だろうか?

ハーバード大学の長期研究が示すように、幸福と健康を支えるのは“良い人間関係”。この記事では、婚活・結婚のコスパ論を心理学と経済の両面から読み解き、結婚を“心の資産運用”として再定義する。



──結婚が「コスパ悪い」とされる主な理由は、
①金銭コストの増加、②自由の制約、③リスク・不確実性、④自己投資や時間の機会損失、⑤心理的・感情的負担の増大などが挙げられる。


詳細は【第1話】を参照されたい:
・若者は何を恐れているのか?──「結婚はコスパが悪い」の心理



01|婚活で見落とされがちな“結婚コスト”──支出よりも心理的コスパ


結婚は出費がかさむ。式、家具、家賃、生活費──数字だけを見れば、独身の方が「コスパが良い」と感じる人も多いだろう。
しかし、それは本当だろうか?

独身でいることにも、“見えない支出”がある。

たとえば、孤独によるストレスや健康リスク。休日に感じる空虚、喜怒哀楽を共有する相手、病気のときの不安、話を聞いてくれる相手の不在──こうした感情の消耗は、経済的には無視されがちだが、実際には心身のパフォーマンスを確実に下げていく。

孤独とは、静かに幸福を削る“サブスクリプション型の損失”なのではないだろうか?

この“孤独コスト”は、若いほど短期的には痛みを感じにくい。

しかし、じわじわと人生の幸福度を侵食する。誰かと分かち合う時間が、自己効力感(自分ならできると信じる力)を高め、ストレスを軽減するという研究もある。
つまり、心のエネルギー効率を上げる意味でも、人とのつながりは重要なのだ。


ノートPCの前でわからない顔の男性

02|「結婚はコスパ悪い」と言われる理由


「結婚はコスパが悪い」と語られる背景には、経済至上主義からくる、短期的な成果を求める社会構造がある。
SNSでは“努力が可視化される成功”が称賛され、感情的な時間投資は“非効率”に見える。結婚や親密な関係は、その最たる例かもしれない。


だが、人間の幸福には“タイムラグ”がある。信頼や安心感は、即座に成果として返ってこない。
むしろ時間をかけて、じわりと効いてくる複利のようなものだ。
初期投資(相手への思いやりや、誤解を乗り越える努力)は、短期的にはマイナスに見えても、長期的には“幸福の利息”として返ってくるのではないだろうか?


効率の良さを重んじる現代にあって、“非効率”な愛は軽んじられがちだ。
しかし、非効率の中にしか、人間らしさや深い喜びは宿らない。なぜなら、愛とは計画通りに成果を出すプロジェクトではなく、予測不可能な相互作用の連続だからだ。

そこでは、思い通りにいかない瞬間こそが、他者理解と自己成長を促す“心の筋トレ”になる。感情の揺らぎや衝突、待つ時間──それらはすべて、心の耐久性を育てるプロセスなのだ。


“心のROI(Return on Investment)"は、ポジティブ心理学や幸福経済学の発展とともに、“感情資産”の価値を可視化する考え方として注目されている。相手を思いやる行為がもたらす精神的回復力や幸福の増幅率を指す。短期的な損得勘定では見えにくいが、長期的には人を豊かにする“感情資産”のリターンである。

問題は、私たちがこの“心の複利”を軽視し、数字で測れない価値を切り捨ててしまっていることにあるのではないだろうか?


03|“良い関係”が健康をつくる──ハーバード大学80年研究が示す“結婚の効用”


ハーバード大学が80年以上にわたって追跡している「成人発達研究(Grant Study)」によれば、人生の幸福と健康を最も強く左右するのは“良好な人間関係”である。

地位でも収入でもなく、信頼できる誰かの存在こそが、心と体の健康を守る最大の要因なのだ。孤立している人ほど、免疫力が下がり、ストレスホルモンが高まり、寿命が短くなる傾向が見られるという。
孤独は静かに身体を蝕む“社会的ストレス”であり、医学的にも放置できない“見えない病”といえるだろう。


一方、”信頼できる”伴侶──残念ながら、そうでない夫婦関係もある──と生活を共にする人は、困難に対して回復力(レジリエンス)が高い。精神的な支えがあることで、仕事のパフォーマンスも安定し、ストレスによるダメージも軽減される。

結婚とは、ただの生活契約ではなく、“健康資本”への投資なのである。医療費やメンタルケアにかかる費用を考えれば、むしろ結婚は長期的に見て“最も堅実な保険”ではないだろうか。


幸福とは、目に見える成果ではなく、誰かと笑い合える日常の延長線上にある。
ハーバード大学の研究結果が語るのは、「愛されることより、愛することの方が人を健康にする」という事実だ。つまり、結婚のコスパとは、支出ではなく“支え合う力”の総和なのかもしれない。


不利な材料を発見してしまった顔の男性

04|“結婚コスパ”の新しい定義──数字では測れない“幸福の利回り”


結婚の価値を「コスパ」で測る時代は、そろそろ見直すべきだろう。確かに、結婚にはお金も時間もエネルギーもかかる。


しかしそれは、“損”ではなく“投資”である。日々の小さな気遣いや「おかえり」「ありがとう」といったやり取りが、人生を再起動させる“幸福の利息”を生み出していく。

重要なのは、結婚を“利益を出す装置”ではなく、“幸福を循環させる仕組み”と捉えることだ。独身の自由にも光はある。


だが、人とのつながりは、幸福を再生産し続ける“再エネシステム”のようなものではないだろうか。

人は一人で完結するようには設計されていない。

だからこそ、信頼できる誰かと共に生きることが、もっとも自然で、もっとも効率的な“生き方の最適化”なのだ。


結婚が、人生の収支をプラスに変える魔法の杖だとは言わない。しかし、日々の“意味”を共有できる誰かがいることで、人は何倍もの強さを取り戻す。

数字では測れない“幸福の利回り”こそが、結婚という関係が持つ、最大のリターンではないだろうか。



(婚活メンター・ひろ)

カウンセラーの紹介




【次回予告】


【第3話】“信頼”と“安心”はどう築かれるのか?──孤独コストの次に来る実践



淹れたてのコーヒとカップ

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