ヒロの婚活心理学

「元彼の影」とどう向き合うか──婚活疲れと未完了の感情を心理カウンセリングで整理する 婚活心理学Vol.32

膝を抱えて過去に浸り込む女性

婚活疲れの背景には、見えにくい心のしこりが潜んでいることがあります。夏菜子さん(仮名・30代後半・OL)の場合、それは“元彼からの連絡”でした。
婚活を始めたものの、心の奥ではまだ過去の関係に揺れ動いていたのです。
本記事では、心理カウンセリングの実践スタイルを通して、この心理的課題をどう整理し、新しい相手との結婚へいかに進んで行ったら良いかを探っていきます。


【目次】

01|元彼からの連絡──心が揺れる理由と婚活疲れ

02|怒りの正体──彼への不満と自分への苛立ち


03|心理カウンセリング・セッションのスタイル


04|未完了の感情を手放すための技法


05|自己肯定感の回復と婚活疲れからの脱却

06|新たな成婚へのステップ──心理カウンセリングから学ぶ行動計画

07|心の整理が導く、新たな出発


01|元彼からの連絡──心が揺れる理由と婚活疲れ


数年の交際を経て破局した元彼。夏菜子さんは「結婚の話がまとまらなかった」と説明しますが、その後、彼から不意に連絡があったとき、自分の心が大きく揺れたことを打ち明けました。


未練なのか、怒りなのか。複雑な感情は明確に言葉にできないまま、彼女の心の中で渦を巻いています。

心理学的に言えば、これは「未完了の感情」の典型です。フロイトのいう抑圧とも関係しており、表に出せない思いは無意識に押し込められ、形を変えて不安や疲労となって現れます。


人は解決されない期待や怒りを抱え続けると、自己評価を傷つけ、前に進む力を奪われてしまいます。感情を抑圧したままにすると、心身の不調や対人関係の混乱に繋がることもあります。
婚活疲れの一因は、まさにこの“未完了の感情”が影を落としているのです。


元彼の隣で顔を覆い隠す女性

02|怒りの正体──彼への不満と自分への苛立ち


夏菜子さんの胸にあるのは、彼への失望だけではありません。「なぜ結婚に至らなかったのか」という問いが、自分自身への責め(自責感情)として返ってきています。


年齢的な焦りがそれをさらに強め、「あの時間は無駄だったのでは」と自罰的な思考に陥るのです。自責感情は本来、自分を律しようとする健全な機能でもありますが、過度になると自己否定となり、無力感や抑うつ感につながりやすくなります。


その解決法の一つは「事実と解釈を分ける」ことです。事実として“結婚に至らなかった”は変えられませんが、そこから「私は無駄な時間を過ごした」と解釈するか、「私は自分の価値観を学んだ」と捉えるかで、心の結論は大きく変わります。


ここで重要なのは、怒りの矛先が二重構造になっていること。外向きには彼への怒り、内向きには自分への怒り。この二つを分けて整理することが、心理的回復の第一歩になります。


03|心理カウンセリング・セッションのスタイル


実際の心理カウンセリングでは、次のような対話を重ねます。


カウンセラー:「元彼から連絡があったとき、どんな気持ちが最初に浮かびましたか?」

夏菜子さん
:「驚きと、少し期待した自分もいました。でも同時に、怒りも…」

カウンセラー
:「その“期待”と“怒り”は、どちらも本音なんですね。期待はどんな未来を描いていたからこそ生まれたと思いますか?」

夏菜子さん
:「結婚して幸せになれるんじゃないかと、どこかで信じていたんだと思います…」

カウンセラー
:「そうですね。長く付き合ったからこそ抱いた未来像があり、それが叶わなかったことへの怒りがあるのですね。」

夏菜子さん
:「はい。自分が軽んじられた気持ちも強いです。」

カウンセラー
:「その怒りは“自分の価値を無視された”と感じたからこそ。まずはその感情を正直に認めることが大切です。そして同時に、“私は大切にされてよい存在だ”と改めて自分に伝えるプロセスが始まります。」



ここで期待と怒りが同時に出てくるのは自然です。人は長期的な関係に投資した分、相手に対して“未来への期待”を抱いています。それが裏切られたとき、期待がそのまま怒りに変換されるのです。


心理カウンセリングでは、その怒りが「自分の価値を軽んじられた」と感じた結果であることを明らかにし、さらにその怒りの根底にある“愛されたい”という願いをすくい上げます。

こうして「自分は大切にされてよい存在である」という感覚を取り戻す癒しのプロセスが始まります。


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花束を手に海辺に佇む女性

04|未完了の感情を手放すための技法


心理療法には「ゲシュタルト療法」の“空の椅子技法(エンプティチェア・テクニック)”があります。椅子を二つ置き、一方に元彼を想定して座らせ、もう一方で自分が言いたいことをぶつけるのです。


「なぜ結婚の話を曖昧にしたの?」

「私は本当は待っていたのに」。


感情を声に出して吐き出すことで、心の中の“未完了の感情”を完了に近づけます。

大切なのは、相手に伝えるためではなく、自分の感情を自分で認め、解放すること。

とはいえ、人は感情を認めることを本能的に恐れるものです。なぜなら、認めてしまえば自分の弱さや痛みに直面することになるからです。


しかし、その回避こそが抑圧となり、未完了の感情を強めてしまいます。勇気を持って感情を言葉にすることで、心は「自分はこれを感じてよい」と許可を得ます。


すると人に本来備わった自己治癒力が働き、痛みが和らぎ、心の整理が進むのです。

これにより、元彼との関係が心理的に完結し、次の一歩を踏み出す土台が整うのです。


05|自己肯定感の回復と婚活疲れからの脱却


夏菜子さんが抱える「無駄にした時間」という思いは、自分の選択を否定する言葉です。

実際、性格にもよりますが「無駄にした」と捉える方は非常に多いものです。その思い込みが強いほど、その後の5年、10年と人生のいちばん美しく・豊かな時期を自ら摘み取ってしまう危険があります。


しかし心理学的に見れば、過去の経験は“失敗”ではなく“学習”です。交際の中で自分が本当に求めているものを知り、妥協してはいけない条件を掴んだはずです。

自己肯定感を取り戻すには、「あの経験があったから、今の私はここに立てている」と再定義することが重要です。


過去を無駄にするか、糧にするかを分けるものは「意味づけの仕方」と「支えの有無」です。


孤立して抱え込むほど否定的な解釈に陥りやすくなりますが、誰かに語り、頼ることで視点が広がり、肯定的に再構成できる可能性が高まります。


特に自立心の強い人ほど「依存してはいけない」と思い込みやすいですが、人に頼ることは依存ではなく“健全な自己調整”です。
他者との関わりが、過去を糧に変える大切な力となるのです。


黒のスーツでやる気を見せる女性

06|新たな成婚へのステップ──心理カウンセリングから学ぶ行動計画


元彼との未完了の感情を整理したうえで、次の段階に進むためには具体的な行動が必要です。


  1. 感情の整理:心理カウンセリングや日記で感情を言語化する。

  2. 条件の再確認:自分にとって譲れない価値観を3つ書き出す。

  3. 小さな出会いから再開:負担の少ないパーティや紹介を優先。

  4. 断る勇気を持つ:心が動かない相手に無理をしない。

  5. 未来像を描く:半年から一年後の、「こうなりたい」「こうなっていたい」自分の姿を明確に想い描く。

これらは単なる婚活のテクニックではなく、心理的に自分を守りながら進むための処方箋です。たとえば感情の整理は、心の中の混乱を落ち着かせる「心の整理整頓」にあたります。


条件の再確認は、自分の価値観を再定義し、相手選びの軸を揺るがせないようにする作業です。
小さな出会いから再開することは、緊張や疲労をため込まずに“婚活筋”を鍛えるトレーニングでもあります。


そして断る勇気は、自己肯定感を守るための防衛線であり、未来像(ビジョン)を想い描くことは心理的な羅針盤です。
未来像を持つことは、自分の行動を導く灯台であり、迷いや不安に直面したときの軸になります。明確な未来像があるからこそ、小さなつまずきに飲み込まれず、選択を積み重ねることができます。


これらを総合してこそ、婚活は消耗ではなく自己成長の道となるのです。



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祝福の花束を手に微笑む花嫁姿の女性

07|心の整理が導く、新たな出発


夏菜子さんの婚活疲れの根底には、元彼との未完了の感情が大きく影響していました。しかし、それを整理し、自分の価値を再確認することで、新しいご縁へと進む力を取り戻すことができます。


怒りも後悔も、正面から受け止めれば「自分を大切にする」という決意へと変容します。

婚活のゴールは、過去の痛みに縛られることではなく、未来を共に歩める人と出会うことです。

心の整理を経て歩む道は、決して遠回りではありません。


それは自分の人生を取り戻すための再出発であり、本当に大切な人と出会うために不可欠なプロセスなのです。



(婚活メンター・ひろ)

カウンセラー紹介:

https://www.reallove.to/counselor/




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