ヒロの婚活心理学

静かなあなたへ──内向型の人の婚活戦略 婚活心理学Vol.28

机で頬杖をついて物思いに耽る内気な男性

「内向的な性格は婚活に不利なのか?」──そんな疑問を持つあなたへ。
今回は、“外向型向き”とされがちな婚活において、内向型の人がいかに自分らしさを活かしながら、関係を築いていけるかを解説します。

共感力・慎重さ・誠実さという美徳が、なぜ“いい人止まり”に陥りやすいのか?
そしてそこから脱却するための5つの具体策を提案。


短期交際という制限下で、内向型が“選ばれる人”になるための新しい視点と実践術がここにあります。

「優しさはあるのに、なぜか選ばれない」──そんな悩みを抱えたまま、人知れず傷ついていませんか?


(次回は、外向型の婚活における落とし穴と対策を展開予定です。)



内容&目次:

婚活心理学Lesson序章|「最初から仲良くなれない」内向的な性格の私は、不利なのか?
婚活心理学Lesson 1|「気を遣いすぎて、疲れてしまう」人たちへ

婚活心理学Lesson 2|「人見知りで会話が続かない」自分の性格を責めてしまうときに

婚活心理学Lesson 3|「沈黙が気まずい」と感じてしまうときに

婚活心理学Lesson 4|「いい人」で終わってしまうのは、なぜ?

婚活心理学Lesson 5|婚活で“いい人”を卒業する、5つのコミュニケーション術

婚活心理学Lesson終章|“いい人”から、婚活で“選ばれる人”へ──内向型の愛し方・愛され方


カフェでコーヒーを片手にぼんやり外を見る若い女性

婚活心理学Lesson序|「最初から仲良くなれない」内向的な性格の私は、不利なのか?


「当たり障りのない話だったら、大丈夫です」

「テンションを上げろって言われても…無理なんです」

「恋愛経験が少ないから、余計に親密な会話に自信が持てなくて…」


これは、結婚相談所で出会った内向的な男女から、私たちカウンセラーが日常的に受け取る“心の声”である。
「相手と距離を縮められない。」
「話が盛り上がらなかった。」
「なにを話せば関係が深まるのかわからない。」
「このままじゃ、ずっとダメなんじゃないか。」
「もっと明るくふるまわないと。」

──けれど、ちょっと立ち止まって考えてほしい。
そもそも、初対面の相手と「すぐに盛り上がる」「明るくふるまう」ことは、本当に“必要な能力”なのだろうか?


それは、本当に“いい出会い”を手に入れるための必須条件なのだろうか?
この問いの裏には、ある一つの“思い込み”が潜んでいる。

「婚活では、明るく、ハキハキと、誰とでもすぐに打ち解けられる人のほうが有利である」という、いかにも“外向型”の価値観である。
たしかに現代の婚活市場は、スピードと印象の時代だ。写真とプロフィールで第一印象が決まり、初対面の数分で「あり・なし」の判断が下される。

その意味で、外向的な人が「第一印象」で有利なのは否定できない。
しかし──結婚相談所での婚活は、いわゆる恋愛市場とは異なる。
マッチングアプリのように“瞬発力”が求められる世界ではなく、“関係を育てる力”が問われる世界なのだ。

婚活とは、「この人と、老後まで一緒に暮らせるか」を考える営みである。
だとすれば──

最初からうまく話せないことは、本当に“欠点”なのか?
打ち解けるのに時間がかかることは、本当に“弱点”なのか?
いいや、そんなことはない。

内向型の人が持つ「深く関わる力」「丁寧に聴く力」「沈黙を共にできる力」こそが、実はもっとも深い“婚活の土壌”を育てる鍵になる。
本論考は、ユング心理学の内向型・外向型の視点、さらに現代性格心理学の知見をふまえつつ、 内向型の人がありのままの自分で、”婚活を進めるための実践的な戦略”を書いていくつもりだ。ガイダンスのつもりで読んでほしい。

あらかじめお伝えしておきたいのは── この論考は、別な誰かになろうとするための“処方箋”ではない。
むしろ、自分の穏やかさの中にある“グランディングの力”──すなわち、周囲に振り回されず、自分の感覚にしっかりと立ち返る力──を信じ、活かしていくための“覚書”である。

婚活に悩むすべての内向的なあなたへ。 この論考が、少しでも心穏やかになれる勇気となりますように。



本を片手に寝そべる若い女性

婚活心理学Lesson1|「気を遣いすぎて、疲れてしまう」人たちへ


「なんだか疲れる…」

初対面の後、ふと漏れるつぶやき。それが、どこか“罪悪感”を伴っていることに、私たちは何度も気づかされる。


「相手は悪くないんです」「でも、なんか無理してたかも」

よくあるのは、外向型の相手には振り回され、内向型の相手にはリードを取ろうと頑張りすぎた。あるいは逆に、自分の枠を越えられず、「つまらなかった」と相手から評価されることも。


たとえば── 相手のテンションに合わせて、いつもより少し声を高くしていた。 普段なら言わないようなことを、話題をつなぐために話していた。

「楽しかったです」と伝えたけれど、それが自分の本心かはわからない。


それは、「いい人」であろうとする無意識のがんばりであり、「期待に応えたい」という優しさでもある。

だからこそ、終わった後に静かに“疲れ”だけが残る。


──でも、ちょっと待ってほしい。

あなたが本当に望んでいたのは、「相手に合わせて気を遣い続けること」だっただろうか? それとも、たとえば「好きなことを好きと言える」「沈黙が苦にならない」

──そんなふうに、自分が自然体でいられることだっただろうか?


「その自然体でいられないから苦労している」すぐにつぶやきが聴こえてきそうだ。

でも少し待ってほしい。

本当に大切なのは、「がんばったかどうか」ではない。 終わった後の心に残る、“自分らしさの感触”なのだ。


過去に成婚したカップルの中には、性格が違っていても、初対面がとても穏やかだった人たちもいた。

でも、彼らはこう言う──

「疲れなかったんです」

「呼吸が自然にできた感じがして、居心地が良かった」

「室内での会話より、池のほとりを一緒に歩いた、あの空気感が心地よかった」


何が違ったのか?それは、第一印象では気づきにくい“なじむ雰囲気”や、“小さな共感”があった証だ。
たとえば、好きなカフェの話に小さく頷きあったり、沈黙の中で同じ景色を見つめていたり。
ある女性会員は、自然散策の後で、「同じテンポでお茶を飲んでいたことに気づいて、なんだか嬉しかった」と語ってくれた。


それこそが、関係を育てる「種子」になる。

大事なのは、「盛り上がること」よりも「疲れないこと」。

それは、花火のような一瞬の輝きではなく、湯船にじんわりと浸かるような“心地よさ”の感触。

印象よりも、感触。演出よりも、実感。


たとえば、飾らない笑顔が自然にこぼれたとき。

気を遣わずに過ごせた帰り道──その“あと味”こそが、関係の芽吹きを教えてくれる。


自分の心に正直に、無理なく関われる相手との出会いは、必ずある。

その“静かな兆し”を見逃さない感性を、あなたの婚活の武器にしてほしい。



両手を頬に当てて恥ずかしがる若い女性

婚活心理学Lesson2|「人見知りで会話が続かない」自分の性格を責めてしまうときに



「共通点が見つからなかったら、何を話せばいいかわからなくなる」
「話題が途切れて沈黙になると、ものすごく焦ってしまう」


そんな悩みを持つ方は少なくない。

だがそれは、決して“コミュ力がない”わけでも、“会話が下手”なわけでもない。


多くの人が、婚活の会話では「何の話題を話すか」が重要だと思い込んでいる。
どこに住んでいるか、何の仕事か、どんな趣味か、旅行でどこへ行ったことがあるか──それはたしかに必要な情報だけれど、心の距離を縮めるのは、別の何かだ。


たとえば、「なぜそれが好きなのか」「その趣味を通じて何を感じているのか」。

もっと言えば、「自分にとって大切な価値観は何か」「今の人生にどんな意味を感じているか」

──そんな話題になったとき、内向型の人の目がふと輝き出す瞬間がある。


外向的な人は、「環境」や「出来事」について話すのが得意な人が多い。
どこに行ったか、何をしたか、どんな仕事か。情報のやりとりや、テンポのよいやり取りで、相手と距離を縮める。


一方で内向型性格の人は、そうした外側の話よりも、「なぜそう思ったのか」「何を大切にしているのか」といった、“心の奥”にあるものを話したい傾向がある。


つまり、同じ「話す」でも、そのレイヤーが違うのだ。
外向型が“場所と行動”を語るなら、内向型は“意味と価値”を語る。
そしてその深度は、親密さに比例する。


ところが──内向型性格の人の中には、「信念や価値観を語るのは、もっと関係が深まってからでいい」と思い込んでいる人が余りにも多い。
けれど、それこそが“関係が深まらない”要因になっていることもある。


結婚相談所には、交際期間の目安として「3ヶ月ルール」がある。
もちろん絶対ではないが、多くのカップルがこの期間で真剣交際に進むかどうかを決める。その中で、「もっと深まってから…」と様子を見すぎてしまうと、肝心な“その人らしさ”が伝わらずに終わってしまうのだ。


だからこそ大切なのは、「自己開示=重い話」ではないと捉え直すこと。問いかけひとつ、エピソードひとつで、関係は変わる。

もっと言えば──自分の大切にしている「信念」や「生き方の軸」、あるいは「自分とは何者か」という問いを分かち合えるとき、会話は一気に深くなる。

それは、ふとした問いが“扉”を開くことになることもある。


「子どものころ、どんな遊びが好きだった?」
「最近、自分らしいって思えた瞬間ってある?」

「野球の何が好きなのか?考えたことある?」
「なんで、結婚しようと思ったの?」


そんな問いかけが、相手の“本音の場所”にふれるきっかけになる。

もちろん、最初から深い話をする必要はない。けれど、ほんの少し勇気を出して、「私はこういう人です」と小さなひとしずくを差し出すことで、会話の深度は変わってくる。


それは、あなたの誠実さを相手に手渡すこと。
そして、それに応じてくれる人と出会えたとき、関係は驚くほど早く、でも自然に深まっていく。


自分を責めるより、「どんな問いかけなら、私は心をひらけるのか?」を探ってみてほしい。
誰かと話すことは、他人とだけでなく、自分との静かな対話でもあるのだから。


そこから始まる関係は、はじめはたどたどしくても、嘘のない響きに満ちている。
誠実さが通い合う関係は、穏やかに、でも確かにあたたかい。



カップを持ち上げたまま気まずさに耐える男性

婚活心理学Lesson3|「沈黙が気まずい」と感じてしまうときに


会話の途中で、ふと沈黙が訪れる。そのとき、内向型性格の人はこんなふうに思ってしまうことがある。
「何か話さなきゃ」
「間がもたない」
「気まずいって思われてるかも」


けれど──それは本当に「気まずい沈黙」なのだろうか?


外向型性格の人にとって、沈黙は“交流の終わり”に感じられるかもしれない。
だから話題を切らさないように、同時に相手の反応を伺いながら、テンポよく言葉をつなげる。

だが、内向型性格の人にとっては、沈黙は「考えている時間」であり、「余韻の時間」でもある。
つまり、沈黙は“関係の中断”ではなく、“関係の熟成”でもあるのだ。

たとえば、同じ風景を見ながら、無言で過ごすひとときがある。
話さなくても伝わっている。

むしろ話さないことで生まれる、静かな共鳴がある。
そんな空気の共振こそ、内向型性格の人が育んできた“親密さ”の形ではなかっただろうか。


婚活では、「楽しそうに会話が弾んでいるか」が重視されることが多い。プロフィールの一致率、話題の豊富さ、反応の良さ、テンポの良さ──そうした「外見的な盛り上がり」が、相性の良さとみなされがちだ。

けれど、沈黙の時間を「心地よく」共有できるかどうかは、むしろもっと本質的な“相性の指標”かもしれない。
問題は、「気まずい」と感じたときに、どう自分と向き合うかである。

たとえば、「沈黙しても、この人と一緒にいたいか?」と自問してみる。
あるいは、「私は沈黙を悪いものだと決めつけていないか?」と。

そこには、「会話を続けなきゃ」「盛り上げなきゃ」という、ある種の“べき思考(正しさの強迫観念)”が隠れていることもある。
それを手放すことで、むしろ自然な流れが生まれることもあるのだ。

また、内向型性格の人にとって、沈黙は「意味のある余白」であることが多い。言葉にする前に感じる、整える、吟味する。
その“間”を大切にする感性こそ、結婚生活の中でも深い理解と共感を育む力になる。

もちろん、まったく言葉が交わされない時間が続くと、不安にもなる。
そのときは、「何を感じてる?」と静かにたずねてみてもいい。
「話したくなったら、聞かせてね」と、余白を尊重すること。

よくあるのは、相手の沈黙が続くときに、つい自分の内側で不安が膨らんでしまうことだ。
(私、何か悪いこと言った?)
(もう私に興味がないのかも)
(交際終了を考えているのかもしれない)
(他の誰かと比較されているのでは…?)


──そんなふうに、相手の沈黙を“拒絶”のサインと受け取ってしまうことがある。
だからこそ、相手もまた沈黙の中で“何かを感じている”ということに想像力を向けてみてほしい。

自分が不安になるように、相手もまた緊張していたり、言葉を探していたりするかもしれない。


沈黙に寄り添う共感。それは、言葉よりも深く相手とつながるための、小さなレッスンかもしれない。
「気まずい」かどうかは、実は沈黙そのものではなく、その沈黙に向ける“自分のまなざし”が決めている。


沈黙を通じてでも、私たちは十分に伝え合える。
静けさのなかで、初めて見えてくる関係もある。
──そんなふうに思えるとき、あなたはもう「会話が続かない私」を責めなくなるだろう。



お見合いでもう相手の男性の顔を見ていない女性

婚活心理学Lesson4|「いい人」で終わってしまうのは、なぜ?


「いい人なんだけどね」
──婚活の現場で、何度この言葉が交わされてきただろう。

内向型性格の人は、相手の話をよく聴く。共感力もある。自分の考えを慎重に言葉にする。
決して相手を否定しないし、丁寧に関わろうとする。
にもかかわらず、「いい人で終わってしまう」。なぜだろう?
その背景には、こんな心の動きがある。

「傷つけたくない」
「波風を立てたくない」
「嫌われたくない」
──そんな思いが、いつのまにか「本音を抑える」という形になって表れてしまうのだ。

「いい人」を装っているわけではない。むしろ“本当にいい人”だからこそ、相手を思いやるあまり、遠慮してしまう。
その結果、「印象が薄い」とか「気持ちが見えない」と受け取られてしまうことがある。
また前章で述べた「恐れ」や「疑い」の気持ちを抱かれてしまう。

たとえば、相手の意見に「私もそう思います」と同調してしまうとき。
それは本当の共感だろうか? 自分の内側の思いを言葉にせず、「相手に合わせたほうがいい」と判断しての反応かもしれない。
──でも、それって、ほんとうに「誠実な態度」なのだろうか?

内向型性格の人は、言葉を選ぶぶん、自分の想いを語るのに時間がかかる。
だが、それを「言わないまま」にしてしまうと、相手は「何を考えているかわからない」と感じてしまう。

だからこそ、ほんの少しだけ勇気を出して、自分の気持ちを言葉にしてみる。
「自分はこう思った」「こんなふうに感じた」──その一言が、相手にとってはとても新鮮で、嬉しいものになる。

つまり、「いい人」を卒業するためには、「本音のひとしずく」を差し出すことが必要なのだ。
たとえば、相手の言葉に対して「なるほど、でも私は少し違ってこう思った」と返してみる。

それは、相手との違いを認めたうえで、対話を深めようとする誠実な姿勢だ。
「いい人」という評価は、あなたの優しさの証かもしれない。
でも、結婚を考える相手には「一緒に歩む覚悟」が求められる。
そのとき大切なのは、衝突を避けることではなく、「違っても、つながりたい」という意志の有無だ。

実際に、仮交際から真剣交際に進めなかった理由として、「結婚後の関係性が見えなかった」「(お相手との)結婚生活が想い描けなかった」といった声は非常に多い。

それは、相手にとって“未来が想像できなかった”ということでもある。
そして交際相手がもっとも気に掛けているポイントは、まさにこの“一緒の未来”への想像力にある。
他人に合わせることよりも、「自分と他人の違いを見つけたときにどう振る舞うか」が、関係の質を決める。
ふたりの未来を左右するのは、まさにその“違い”との向き合い方──交際相手が見ているのも、そこなのだ。

自分の心を丁寧に扱い、相手の心にも丁寧に触れる。
その往復の中で、少しずつ“信頼の器”が育っていく。


だから、怖くても、少しだけ踏み出してみてほしい。
あなたが見せた“ひと欠けらの本音”が、ふたりの距離を決定的に変えるかもしれないのだから。



男性の肩を両手でハグする若い女性

婚活心理学Lesson5|婚活で“いい人”を卒業する、5つのコミュニケーション術


「優しいし、いい人なんだけど……」──そんな言葉で終わってしまう交際は残念だ。
まるでリボンは美しいのに、開けても中身が見えない贈り物のようだ。

外見や振る舞いは好印象なのに、心の奥に触れられない。
そんなもどかしさが、相手からの“いい人止まり”という言葉には隠れている。

いい人=愛されない人? そんな思い込みを、ここで少しだけ手放してみよう。

本章では、内向型性格の人が持つ美点が、なぜ恋愛関係において「決め手に欠ける印象」へと変わってしまうのかを読み解きながら、そこから脱却するための5つの具体的な処方箋を提案する。

内向型性格の人は、相手の話をよく聴く。共感力もある。自分の考えを慎重に言葉にする。
決して相手を否定しないし、丁寧に関わろうとする。

にもかかわらず、「いい人で終わってしまう」。
なぜだろう?

そこには、「共感」や「優しさ」という美徳が、時に“手ごたえのない存在”として相手に映ってしまうジレンマがある。
それは、自分の意見や欲求を見せないままだと、「この人は何を考えているのか分からない」と思われてしまうからだ。
人は、触れられるものにしか、手を伸ばせない。
「自分を殺して相手に合わせること」が美徳だと信じてきた人ほど、その誤解に陥りやすい。
だからこそ、「いい人」を卒業するためには、ほんの少しの言葉の工夫と、一歩踏み出す勇気が必要だ。

以下に紹介するのは、内向型性格の人が結婚相談所での短期交際(いわゆる“3ヶ月ルール”)の中で関係を深めるための、具体的な5つのコミュニケーション術である。


1|共感の次に「自分」を添える


内向型性格の人は聞き上手だ。だが、それだけでは“都合の良い聞き役”に見えてしまうこともある。
たとえば、「そうですよね」「わかります」とだけ返していると、相手は「この人は何を考えているんだろう?」と感じることがある。

だからこそ、共感のあとに「私はこう感じた」と一言添えるだけで、会話の温度が変わる。
「ああ、それ、私も似たような経験ありますよ。ちょっと違うけど、私はそのとき……」
という具合に、”共感+自己開示のセットで返す”習慣をつけていこう。

自分の感じたことを一言添えるだけで、会話は“鏡”ではなく“窓”になる。
相手は、あなたという風景の中を少しずつ歩けるようになるのだ。


2|違っても言葉にする「勇気」


相手に合わせすぎると、自分の影が薄くなる。
仮に違う意見を持っていても、「否定してしまうのでは」「関係が壊れるのでは」と恐れて言葉を飲み込むことがある。

でも、実際には違いを出したほうが、関係が深まることもある。
「私は少し違ってこう思った」とやわらかく伝えれば、それは衝突ではなく“対話の入り口”になる。

大事なのは、「違ってもつながりたい」という姿勢を示すことだ。
“自分と違うあなたを、知りたいと思っている”というメッセージが伝わると、相手も安心して自分を見せられる。
そうして関係は、単なる同調から、本当の“理解”へと向かっていく。


3|“未来”を一緒に見るイメージ力


「結婚生活が想像できなかった」──交際終了の理由でよく耳にするこの言葉を取り上げよう。
それは決して、相手の欠点を意味しているわけではない。


むしろ、「未来を語り合いたかった」「一緒にいるイメージを共有したかった」期待への裏返しの表現である。


だからこそ、日常のふとした会話に“未来のイメージ”を少しずつ混ぜていこう。

「旅行好きって言ってたけど、もし結婚したらどんな場所に一緒に行ってみたい?」
「料理、苦手だけどがんばるよ。味見してくれると嬉しいな」

そんなささやかなフレーズが、相手の想像力を刺激する。
そして実は、交際相手がもっとも気にしているのは、そうした“未来を感じられるかどうか”ということなのだ。

日常の中のさりげない想像が、ふたりの距離を確かに近づける。


4|LINEの一文に「余韻」を残す


LINEのメッセージでも、「楽しかったです。ありがとうございました」とだけ書いてしまいがちだ。
だが、これだけでは印象に残らない。


「あのときの会話、とても印象に残ってます。なぜかと言うと──」
「あなたの〇〇なところが、──で素敵だなと思いました」

そうした“感情を伴った言葉”が、相手の心に余韻を残す。
そしてそれは、次のデートへの期待値を自然と高めてくれる。
ほんの一文が、関係性に“物語の余白”を与えてくれるのだ。


5|癒しから「関係の深まり」へ


「癒される」と言われるのは、内向型の人にとって最高の褒め言葉かもしれない。
でも、それだけでは“ふらりと立ち寄った休憩所”になってしまう危険もある。


パートナーとしての存在感を育てるために、「聞くだけ」で終わらせず、相手への関心を返す姿勢が鍵になる。
相手が心を開いたとき、こちらも少しだけ扉を開いてみる。


「もっとあなたの──こういうところが知りたいな」
そう伝えることで、“癒し役”から“人生のパートナー候補”へと一歩進むことができる。
“癒し”のその先へ──自分がこの人と人生を築いていきたいという意志を、そっと伝えること。


これらはどれも、小さな工夫であり、ちょっとした勇気だ。
だが、この「ちょっと」が未来を大きく変える鍵になる。


“いい人”で終わらせないために。

あなたの穏やかな声が、誰かの人生をあたためる力を持っているとしたら?

今、その声をほんの少しだけ、世界に開いてみよう。



結婚式を終え花束を片手に微笑む花嫁

婚活心理学Lesson終章|“いい人”から、婚活で“選ばれる人”へ──内向型の愛し方・愛され方


「変わらなきゃいけないのかな」──そう感じた人もいるかもしれない。
でも、あなたの性格からくる“優しさ”や“静けさ”を否定してほしいわけではない


大切なのは、無理に自分の性格を作り替えることではなく、今のあなたの中にある“伝える力”を信じてみること。


この論考で伝えたかったのは、「穏やかなあなたの性格のままでいい」ということ。
ただ、その声をほんの少しだけ、世界に開いてみようということ。


「いい人」という言葉に、自分を閉じ込めないでほしい。
あなたの優しさには、──白黒を着け、好悪をはっきりいう──確かな輪郭があっていい。
あなたのまなざしには、未来を語る力がある。


自分を少しだけ表現してみる。

違いを恐れずに伝えてみる。

ほんの小さな一言が、ふたりの間に橋(ラポール)をかける。


「いい人」のままで終わらせないために──その優しさに輪郭を与える方法が、きっとある。

それは、あなたがあなたの性格のままで関係を育んでいくための、小さな“意志の灯”なのだ。


あなたのままで、愛されていい。 その可能性は、もう始まっているのだから。


たとえば、職場で、友人からの紹介で、街中で偶然に出会う──そうした出会いから始まる恋愛結婚と違い、結婚相談所での婚活には、交際期間に“目に見えないリミット”がある。


それは、内向型性格の人にとって、ときに最大のネックとなる。

なぜなら内向型性格の人は、「良い出会いさえあれば、あとは自然に関係が育つはずだ」と考えがちだからだ。


けれども実際には、“自然な関係性の成長”を待つには、あまりに時間が限られている。

だからこそ、意識して“関係を築く言葉”や“未来を語るまなざし”が必要となる。


内向型性格の人が、自分らしさを大切にしながらも、限られた時間の中で”心を開いていく”。

その姿勢こそが、短期の婚活においてもっとも信頼される“愛され力”なのだ。




(婚活メンター・ひろ)




恋愛に不器用な気がして、つい「いい人」で止まってしまう──そんな男性へ。
無理に陽キャになる必要はありません。

静かな優しさこそが、今求められている魅力です。


自分の気持ちを言葉にするのが苦手で、つい相手に合わせすぎてしまう──そんな女性へ。
その繊細さは弱さではなく、関係を育てる力です。


私たちは、あなたの“そのまま”の魅力を、どうすればきちんと届くかを一緒に考えます。
結婚相談所の短期間の交際ルールでも、無理をしないで深くつながる方法があります。

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