ヒロの婚活心理学

マッチングアプリで“相手が好きになれない”のはなぜか?

スマホで調べる男性を冷たく見つめる女性


感情が動かない人の心理と回復プロセス」

「誰に会っても好きになれない」「いい人なんだけど、結婚相手じゃない気がする」。
そんな声を、いま婚活の現場で本当に多く聞くようになりました。


前回は“マッチングアプリ疲れ”の正体を解き明かしましたが、その結果として起きるもっと深刻な現象があります。
それが、
“感情が動かない”という状態です。


この状態は決してあなたの“心が鈍い”わけでも、“恋愛に向いていない”わけでもありません。
むしろ、繊細で誠実な人ほど陥りやすい心理反応なのです。


ここでは、マッチングアプリがなぜ恋愛感情を奪いやすいのか。

そしてどうすれば“心がもう一度、誰かに向かう力”を取り戻せるのか。

心理カウンセラーとしての長年の経験から、深く丁寧に解説します。



01|なぜ“好きになれない”人が増えているのか?




まず知ってほしいのは、好きになれない理由の多くは個人の性格ではなく、構造的な問題だということです。
特にマッチングアプリでは、ようやく会えたとしても“良い人に巡り会えない”ケース、あるいは会えても“関係が育つ前に自然消滅してしまう”ケースが非常に多い。


ここに、アプリ疲れの本質が潜んでいます。


● 自然消滅が多発する心理パターン


実際の相談でも、同じ流れが繰り返されています。

  • 会うまではテンポよく進む(もちろん苦労する方もいます)

  • 会った瞬間、相手が“良い人”でも気持ちが冷めたまま

  • そのままメッセージのラリーが減る

  • 気づいたらフェードアウト

自然消滅が多いのは、あなたの問題ではなく関係を育てる前提が欠けている環境だからです。

相手が悪いのでも、あなたが悪いのでもない。


アプリは“関係の成長”ではなく“次の出会い”へ意識を向けさせる仕組みのため、気持ちの熱量が上がる前に離脱が起きやすいのです。


● ① 出会いのスピードが速すぎて、心が追いつかない


アプリでは短期間に何十人ものプロフィールを見ます。これは脳にとって“情報過多”。

脳は防衛のために、感情反応を鈍らせ、**「感じすぎないモード」**に切り替えます。

結果、実際に会っても感情が動きにくい。せっかく勇気を出して会っても、「なんとなく違う」と感じて終わる出会いが続き、心はさらに疲弊していきます。


● ② 非言語の情報が欠落している


人間が恋愛感情を育てるために必要なのは、文章ではなく、

  • 声のトーンや会話のテンポ

  • まなざし

  • 歩くスピード

  • 雰囲気 といった“非言語の情報”です。

アプリにはそれがすべて欠けているため、恋愛の回路がそもそも起動しないのです。


● ③ 比較が止まらず、感情が麻痺する


アプリは無限スクロール式。次へ、次へ、次へ……。

脳は“比較対象が多いほど満足できなくなる”という性質があるため、良い人に会っても「もっといい人がいるかも」という疑念が止まらず、関係が育つ前に距離が空きやすい。こうして、連絡がフェードアウトし“自然消滅”が繰り返されるのです。そのため、せっかく良い人に会っても、感情の交流が育つ前にシャットダウンしてしまいます。


● ④ 過去の恋愛経験の少なさ


恋愛経験が少ない人は、そもそも“好きになる感覚”が育っていない場合もあります。

これは欠陥ではなく、体験が少ないだけです。

運動と同じで、経験とともに感情の筋肉は育ちます。



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02|恋愛感情が動くメカニズム──“安全基地”が起動しないと人は好きになれない




心理学では、人が誰かに心を開くためには“安全基地(secure base)”が必要とされます。

安全基地とは、

「この人の前なら、気を張らなくていい」 という感覚のこと。

これは理屈ではなく、身体で感じるものです。


マッチングアプリでは、

  • 初対面の緊張

  • メッセージ上の探り合い(同時に数人と会っているかも)

  • 「選ばれなかったらどうしよう」という不安 が先に立ち、安全基地が形成されづらい。

つまり、安心がない状態で恋愛感情だけを求められるのです。


これでは、“好き”のスイッチはどうしても入らない。

特に女性はむずかしい。


逆に言えば、安心が育てば感情は自然に動き始めるということでもあります。



03|あなたは“会ってから花開くタイプ”かもしれない



実は、恋愛は大きく2つのタイプに分かれます。


● A:瞬間で好きになるタイプ(=刺激で動く)

● B:ゆっくり育って好きになるタイプ(=安心で動く)


マッチングアプリはAタイプに圧倒的に有利ですが、日本人の多くはBタイプです。


Bタイプの人は、

  • 相手の人柄が見えてから好きになる

  • 安心と共感で気持ちが盛り上がる

  • 慣れてから魅力を発揮する という特徴があります。

つまり、アプリと根本的に相性が悪い。


だからこそ、好きになれないのは“あなたの問題”ではなく、土壌が合っていないだけ。

だからこそ“出会い方そのもの”を変える必要があります。


アプリは刺激中心の土壌ですが、あなたは本来“安心という土壌”でこそ魅力が立ち上がるタイプです。

対面での空気感・お見合いという整った環境・結婚を前提とした真剣度──これらが揃う、たとえば結婚相談所のほうが、あなたの感情の回路には圧倒的に相性がいいのです。





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04|心が動き出すための“3つの回復プロセス”




マッチングアプリ疲れの人の多くは、“気持ちが動かない”だけでなく、自然消滅の連続によって自己効力感が低下していることが特徴です。


「どうせまた続かない」「また自然消滅するんでしょ」という諦めが入り込み、恋愛のスイッチ自体が反応しにくくなっていきます。


ここからは、カウンセリングで実際に効果のあった回復ステップを紹介します。


① 感情の筋肉を取り戻す──小さな“好き”を意識する


恋愛感情は、ゼロからいきなり100には育ちません。

そこでおすすめなのが、

「0→10の“微弱な好き”を見逃さない練習」

  • なんとなく話しやすかった

  • 優しい雰囲気だった

  • 歩くペースが合った

  • 会話が弾んだ

  • 気持ちで触れ合えた

  • ふたりの笑顔が増えた

こうした“微細な好き”を拾えるようになると、徐々に感情の回路が再起動します。


② 非言語の情報に触れる回数を増やす──短時間の対面を重視


会うまでにメッセージを長引かせないこと。

むしろ、短時間でもいいので早めに対面の機会を作るほうがいい。


なぜなら、あなたが安心感を得られるのは文章ではなく“対面の空気”だからです。

文章の魅力より、雰囲気の相性のほうが体験型のあなたにとっては重要です。



③ “ひとり反省会”をやめて、対話で整える──自然消滅のループを止めるために


自然消滅が多い人ほど、実は“ひとりで全部抱え込む癖”があります。

  • どうして続かなかったんだろう?

  • 私の何が悪かった?

  • あそこでなぜ「はい」と答えなかった?

  • もっと頑張るべきだった?

こうした“自責のループ”は、感情をさらに固め、次の出会いでも萎縮させてしまいます。

感情は対話の中でしか整理できない。

カウンセリングや結婚相談所の担当者のように、“対話の中で感情を言語化してくれる伴走者”がいると、自然消滅を繰り返すパターンが明確になります。


具体的には、

  • “熱量の差”が生まれやすいタイミング

  • 自分が引いてしまう瞬間

  • 相手に期待しすぎて、後でがっかりする場面

  • 逆に相手からの熱量に圧を感じる瞬間

こうした“関係のほころびポイント”が分かり、改善策が見えてきます。


対話によって、

  • 自然消滅しやすい理由が整理され

  • 自分に合う“距離感”がつかめ

  • 次を失敗しないための行動戦略が立ち上がります

自然消滅の連続は“欠陥”ではありません。

心理ターンが見えていないだけなのです。

アプリ疲れの人の多くは、孤立し、ひとりで考え込みすぎています。

感情は対話の中でしか整理できない。

カウンセリングや結婚相談所の担当者のように、あなたの感情の変化を一緒に見守り整理してくれる“伴走者”と話すことで、

  • 思い込みが外れる

  • 不安が小さくなる

  • 本当の望みが見えてくる

という変化が起きます。


感情が動かないのは“欠陥”ではなく、メンテナンスが必要なだけなのです。



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割れてしまったハート型のビスケット


05|“好きになれない”あなたへ──これは結婚をあきらめるのではなく、新しいステージの始まり──そして“向いていない土壌から抜け出すサイン”でもあります




あなたが疲れているのは、あなたが悪いのではなく、環境が悪いだけ。

あなたは決して“恋愛向きじゃない”わけでも、“魅力がない”わけでもない。


ただ、あなたの感情は、もっと丁寧に扱われるべきものなのです。


そして──。

あなたに合ったペースで、安心が育てば、人は誰でも好きになれる。


ゆっくりでいい。瞬間的にときめかなくていい。

あなたの心は、まだ誰かと向き合う力を持っている。疲れ切っていただけです。


“好きになれないあなた”は、“ダメなあなた”ではなく、回復途中のあなたなのです。

その優しさと繊細さこそ、結婚後のパートナーシップで最も大切な資質です。


ここまで読んで気づいた方もいるかもしれません。

あなたが疲れてしまったのは、あなたが恋愛に向かないからではなく、土壌というシステムが間違っていただけです。


もし“会ってから花開くタイプ”なら、マッチングアプリよりも、最初から人柄を重視できるお見合い型の出会い、そして“関係が育つのを前提とした環境”を選ぶほうが、あなたの心は自然に動き始めます。



次回は、 「マッチングアプリが向いていない人の特徴と、あなたに合う婚活戦略」 についてお届けします。




(婚活メンター・ひろ)



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